さよならを遠ざけて

泣きそうになるのをこらえた
ぎゅっと目を瞑り、唇を噛む
目を開ければ、きっと涙が溢れてしまう
一つでも言葉を発せば、あなたへの恋慕が溢れる
もう、あなたはいない
どこにもいない
あなたを見送る葬列に立って参加した
わかっている
わかっているつもりだった
だけど、街中であなたがわたしを見つけてくれるんじゃないか
1人佇むわたしの背中をあなたが抱きしめてくれるんじゃないか
当たり前だった毎日が戻ってくるんじゃないか
そう期待する心を止められない

わたしの名前を呼んでほしい
街中で1人迷子になるわたしを見つけてほしい
わたしの時間は止まったまま、動き出せずにいる

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