恨めしい青

サボテンを買った。
チクチクと周りを刺しながら生きている姿が私に似ていると思い、不覚にも親近感を抱いてしまったのだ。
サボテンは、そもそもの生育環境のおかげで、少しの水で生きていられる植物だ。
だから、少しの水で元気になる。
その様は、少しの褒め言葉ですぐ調子に乗ってしまう私を見ているようで、嫌になった。
仕事で疲れ切って、水をあげられない時は、サボテンも元気がなくなる。
私一人だけでも、辛さを痛感しているのに、どうして2倍も辛さを感じなければならないのだろう。私は腹立たしくなって、サボテンを捨てた。そして、サボテンのことを忘れた。
ある日ふとサボテンを捨てた場所を通りかかると、私が捨てたはずのサボテンは元気に育っていた。
そこでやっと気がついたのだ。
私とサボテンは、繋がってなどいなかった。
似ているところなんてありはしなかった。
私の妄想だった。
私はいつだって一人きりなのだ。
私は目を閉じて、サボテンを踏み潰した。

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