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本当にこのままでいいと思っているの
白いわたがしの夢をみる
寂しくさせないと誓ってくれるのですか
両の翼はいつ軋む
いつか吐いた嘘は心からの真実だったんだ
ただただ沈むばかりで
海の底の僕を見つけてね
あんな風に死ねたらと
夢を見ながら頸に包帯を飾って
どうかどうかその腕で
■本当にこのままでいいと思っているの
散らかしたままでいいの見えないままでいいの
亡くなったままでいいの
治さなくたっていいの
本当に本当にこのままでいいの
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■白いわたがしの夢をみる
ふわふわ揺らめく夢をみたの。
けれど、それは暖かな揺らめきじゃなかったの。冷たい冷たい揺らめきだったわ。氷の手じゃなくて、柔らかな手で暖かく抱き締めて。ふわふわ揺らして。揺らされたまま逝ったって構わない。
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■寂しくさせないと誓ってくれるのですか
夜毎寂しい寂しいと泣く同居人。何が寂しいのか聞いても、自分もいるではないかと言っても、只々寂しいとしか答えない。何ができるのか。どのような寂しさがこの人にまとわりついているのかわからない。君をもう寂しくさせたりしないよ、と言いたくても何も言えない非力な自分を許してほしい。ああ、寂しい。
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■両の翼はいつ軋む
あれは確か高校2年生の頃に言われた言葉だ。「17歳って自分には無限の可能性があるって勘違いしている年頃よね」
そう言った人を悪くは思わない。その時の私は自身の将来について何も考えていなかった。つまり限界を知らなかった。
才能の数は人それぞれだ。そして才能は翼とよく似ていると思う。才能を多く持つ人の翼は大きく、才能をそれほど持たない人の翼は小さい。
私の翼はとても小さい。こんな翼で飛べるだろうか。父と母を安心させられるだろうか。けれども、とても小さくとも翼を持つ限り私は飛ばなければならない。飛んでみせるさ。両の翼が軋むまで。
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■いつか吐いた嘘は心からの真実だったんだ
大好きだった。
何よりも必要としていた。
でも貴方は私を裏切っていた。
それなのに貴方はそんなことおくびにも出さなくて、
それなのに私は何にも気がつかなくて、
気付いたら失っていたの。
最後に吐いたあの嘘は私の中の真実。
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■ただただ沈むばかりで
探しても探しても答えが出ない。
深みにどんどん嵌まっていく。
探しすぎてもう何を探していたのかわからない。
答えなんてどこから出てくるの?貴方は答えを教えてくれるの?
答えを探して深みに嵌まっていく。
知りたいの。全てを知りたいの。
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■海の底の僕を見つけてね
いつかは僕も海へ還るよ。いい加減地上の喧騒にも飽き飽きしたんだ。穏やかで全てを受け入れる海に還りたいよ。
貴女もいつかは海に還るんだろうか。でもきっと一緒には還れないんだろうね。それでもいいよ。僕は先に還って待っているから。きっときっと見つけてね。
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■あんな風に死ねたらと
近所の家の子が自殺した。死因は多量出血。死に顔はとても安らかだったそうな。
そして、ここに「死にたい、死にたい」と騒ぐ死に損ないが1人。誰か彼女に安らかな死をお与えください。
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■夢を見ながら頸に包帯を飾って
お昼ご飯はシチューにしましょう。大丈夫。貴方の嫌いなブロッコリーは入れないわ。
3時のおやつはカップケーキでいいかしら?貴方の大好きなレーズンを入れるわね。
え?首の包帯?……失敗しちゃったのよ。だから気にしないで。お昼ご飯作るわね。
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■どうかどうかその腕で
過去を拭ってはくれませぬか
現在を破いてはくれませぬか
未来を描いてはくれませぬか
抱き締めてはくれませぬか
引き留めてはくれませぬか
連れて逝ってはくれませぬか
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