それでも生きているなんて

貴方は今頃雨に打たれながら走っているんでしょうね。
だって、貴方の自慢の傘は私が持っているんだもの。
貴方の自慢の革靴からは、入り込んだ雨がぐちゃぐちゃと嫌な音を立てているんでしょうね。
傘なんて、コンビニでも買えるけれど、コンビニを毛嫌いしている貴方は、それすら買わないんでしょうね。
貴方がこんなにも雨の続く梅雨の時期にご自慢の傘を持っていないことを貴方の奥さんは不信に思っていないかしらって、妾の私が心配することでもないかしら。
貴方はきっと梅雨が開けてから、私の元へ来るでしょう。その時用済みの傘と私をどうするのかしら?


title by 剥製

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