寂しさに揺れ

捨てられない言葉
アイソトープ
ミリ単位の恋
愛し過ぎて涙も出ない
先生、だめなことってなんですか
失恋ごっこ
可能性なんて、最初からなかった
夕日
そうやって消えていく


寂しさに揺れ
子供の頃に返れたらなんて思わない。戻ってしまったら今まで足掻いてもがいて生きてきた自分が無駄になってしまうでしょう。だから、タイムマシーンがあったって私は過去になんか戻りたくない。仮令貴方と付き合っていたあの幸せなときに戻れたとしても、私はタイムマシーンなんかには絶対に頼らない。切り捨てないと手に入れることが出来ないものがあることも私は知っているの。生きている間で地球上の全ての人と出会うことが出来るなんて思ってもいない。でも、私があの人に固執してしまうことで見逃してしまう未来だってきっとあるでしょう。だから、私は・・・

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捨てられない言葉
お風呂の中で揺蕩う。あの言葉が忘れられない。
「僕は君の事を忘れないけれど、君だって僕を忘れられないはずだ」
私のほうが振ったというのに、なんだんだあの強情な男は。やはり振って正解だあんな男。屁理屈ばかり言ってそんなに私のことを怒らせたかったのだろうか。
「君は起こっている顔が一番綺麗だよ」なんて言葉を褒め言葉だとあの男は思っていたのだろうか。何度思い出しても腹が立つ。
そこで私はやっと気が付いた。結局私はあの男を忘れられないのだと。

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アイソトープ

どうして私の愛の重さと貴方の愛の重さは違うのだろう。同じ愛である筈なのに。私の主のほうが強いからこういうことになるのだろうか。
もっともっと私のことを愛して欲しい。

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ミリ単位の恋
それは芽生え始めた恋。好きかもしれないと自覚し始めた心。だから大事にしたい。仮令届かない思いだとしても。

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愛し過ぎて涙も出ない
彼氏と別れた。寂しくて寂しくて泣きたかったけど、まだ彼のことを愛している気持ちのほうが大きくて、泣くことすらできなかった。泣いてしまえば楽になれるのに。泣いてしまえばこんな辛い思いだって忘れてしまえるのに。どうしてこういうときに限って涙が出てこないのだろう。私は胸を撫でて心臓の涙をぬぐった。

title by メランコリア


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先生、だめなことってなんですか

そもそも永遠の命を与えられていないのに、命を絶つことはそんなにもだめなことなのでしょうか?だめなことならば何故生き物の命には限りがあるのですか?
死ぬことは悲しいことですか?苦しいことですか?
生きることはとても悲しいです。とても苦しいです。
生きる苦しみと死ぬ苦しみ、比べて見たらどちらが苦しいんでしょうか?

title by 株と無心

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失恋ごっこ

「嫌いだよ」
白い息を吐きながら呟いた。
「君なんか大嫌いだ」
言葉は空気に混じらない。
「僕は好きだ」
返ってこないだろうと思った言葉が返ってきた。
「それでも、僕は君が好きだ」
白い息の中、私と君の言葉は混じらない。


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可能性なんて、最初からなかった

個々に生まれてしまった僕らは、個々に生まれたが故に、お互いを完全に理解することが出来ない。お互いを傷つけてばかりだ。
君の涙を見た僕が何も感じることが出来なかったのはきっとここに生まれてしまったからで、僕が人の気持ちの機微を理解できないからではない。そして、君が女性で女性の心は秋のように移り変わりやすいものだという迷信通りのものでもない。僕たちが個々に生まれてしまったからだ。
もし僕らが一つで生まれてきたらどうなっていただろう。完全に互いの気持がわかったかもしれない。でも互いという認識は無くて他の誰かを傷つけてしまうのかもしれない。
僕らはどうしたら互いに傷つけあわずにすむのだろう?


夕日

いつか、自分自身の生き方さえも赦せるような日が来ると教えてくれた人がいた。私はその人に対して何と答えていたのだろうか。忘れてしまった。もしかしたら、何も答えなかったのかもしれない。そんな日が来るなんて、私自身想像もつかなかったことだし、信じてなんていなかった。
 私の周りは悪意で満ちている、そんな子供じみた考えばかりが頭の中を駆け巡り、まともな考えなんて欠片すら私の頭の中にはなかった。
 親さえも私は信じることができなかった。誰も信じることができず、誰も赦すこともできず、私の心は傷つくばかり。
暮れていく夕日を赦せないように、私は私を赦せなかった。


そうやって消えていく

掴んだはずのものすら掌から溢れていく
さらさらと砂のように掌から溢れた大切なものたちは、一体どこへ行ってしまうというだろう
大切にしていたはずなのになくなってしまう
失ってしまう
誰もが大切なものを失いながら生きていく。
その大切なものたちが行き着く場所はあるのだろうか。どこか彷徨いながら消えていくぐらいなら、手許に残っていて欲しかった。
私の掌に留まっていてほしかった。
今も抱きしめていたかった私の大事な記憶たち。














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