「しーずちゃーん。シズちゃんてばー!!」
耳元で、うざったい声がする。
えっと…この声は、ああ、そうか。あいつだ。
「お!き!な!さ!い!」
そんな耳元で叫ばなくても、聞こえてるから。もういいから黙れ。正直うるさい。
「起きてる。」
「目が開いてない。」
「もうすぐ開くから。」
「嘘だね。絶対二度寝するよ。そんで、なんで起こさないとか俺のことなじって、睨みつけて…仕事にでかけるんでしょ?まあ、いいけどね。自業自得ってやつだよ。シズちゃんのわからずや!」
ああ言えば、こう言うし。本当に減らず口で、困るのはこっちだ。
何よりこいつは、今日は仕事がないということを理解していない。
まだとなりでぶつくさと文句をいっている。奥の方からコーヒーの香りがしているから、きっと臨也が朝食を作ったのだろう。
嬉しいけれど、今日はもう少しこいつを腕の中に抱いてまどろんでいたい。
「ねー、ご飯冷めるんですけど。」
「んー…。」
「シズちゃ……っ!?」
そうそう。五月蠅いなら口を塞げばいいんだったな。
お前が口うるさくなるのも、甘ったるい声も、俺より早く起きて飯を作ってくれるのも、全部俺の為だってちゃんと分かっている。
分かっているから、もう少しだけ…。
一分でも長くさ
あと、少しだけ、お前を抱きしめて夢の世界へ。
END
同棲うめえ…