気がついたときには、好きだった。
金兄のにかっと笑う顔を、もっと求めるようになった。
俺が自分の力で金兄を幸せにしたいと思うようになっていた。
わがままな子
「俺、金兄みたいな嫁さんがほしいわあ!」
臆病者な俺は、このように冗談っぽく告白をするしかない。
「はぁ?俺は男や!廉造頭おかしくなったんちゃうん?」
「ちゃうわー!ひっどいなぁ…。」
彼の言葉に勝手に傷ついて、悲しさを必死にくいとめた。きっと今、俺は泣きそうな顔で笑っているのだろう。
金兄に女の子の影がみえるたびに、両手で目を塞いで、これはきっと気のせいだと、俺は悪い夢をみているのだと、現実から目をそらす。
ふわふわな服をきている睫毛の長い彼の彼女は、金造に似合ういい彼女になろうと頑張っていて、俺に挨拶をしてくる。そのたび俺は、お似合いやねぇ、なんて言いながら心の中で早く別れろと念じ続けるのだ。
「…俺のが金兄のこと、ずっとずっと、好きなんや。」
好きだけじゃ越えられなくて、家族の愛なんかじゃ足りやしない。
早く君がほしい。
君だけがほしい。
(叶わないとは理解しているけど。)
(少しな我が儘くらい、言ってもいいやんなぁ。)
END
廉金ああああああああああああああ!!!