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全校生徒が集まった、むさ苦しい体育館。
汗を拭きながら、校長が壇上で挨拶をした。
「明日から、皆さんは夏休みに入ります。
部活動に励み、勉学に励み、そして!大切な思い出になるように。そんな40日を過ごしてください」
【夏休み突入!】
そう、明日から待ちに待った夏休み!summer vacation!!
1日中クーラーの効いた部屋でまったりと誰にも邪魔されることなく過ごせる日々。
ああ、想像しただけで素晴らしい!!
「典型的なダメ人間まっしぐらだね芹都ちゃん」
「
(グサッ)そ、そんなことないよ奥ちゃん。ちゃんと宿題もするし…」
「1日の内、一回も外に出ないんじゃ引き籠りだね」
「
(グサグサッ)し、失礼だなぁいっちゃん。外に出るよ?」
「宅配便とかででしょ?」
「
(グサグサグサァ!)…そ、そこまで言うことないじゃんかぁ!!」
「あー。やっぱり最高だよ芹都ちゃんイジるの」
「いちいち反応してくれるもんね、芹嬢は」
「見て見て!!芹嬢が顔真っ赤!襲っていい!?」
「近付くな変態!!!」
幸せを見事に打ち砕かれた私。
うう…なんだよ。世の中の学生が皆喜ぶイベントじゃんかぁ〜。
「ま、学校行かなくていいのは嬉しいよね。学校のパソコン重くてさぁ」
「ね、You○ubeが動かないもんね」
「ニ○ニコ動画にはアクセス事態出来ないし。ウチ会員なのにー」
「そう言えば、芹都ちゃんの部屋、ネットワーク環境が異常に整ってるよね?」
「…整えたんだよ。学校の奴じゃ話にならないから」
「じゃあ遊びに行っていい?ゲーム持って来るから」
「んじゃあたしはお菓子ー」
「ウチは芹嬢への愛を!」
「
いっちゃんだけは立ち入り禁止」
「ごめんなさい」
というわけで。
皆仲良く?放課後の予定決定。
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