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――ぽん、ぽん
…出来た。
あ、砂場の山ね。
少女は両手を挙げて喜んでいる。
頑張って作った甲斐があったかも。
「うわ…っとと」
べしゃあ
『!』
「やべっ。わりーわりー」
掘ったトンネルも砂場の山も、近くでチャンバラをしていた男の子に壊されてしまった。
もー。折角作ったのに…。
『…………』
少女は無言で少し俯く。
けどすぐに、壊れた山を自分で崩し始めた。
――ぽん、ぽん
そんな悲しそうな顔をしてほしくなくて、山を作り直す。
少女も一緒に作ってくれた。
(もうちょっとかな…)
そう思っていると、砂の中で何かに触れた。
お、トンネル開通…。
――ぎゅっ
少女がボクの手を握る。
顔を上げれば、キラキラな笑顔が戻っていた。
それに一瞬……胸が、ドキッと高鳴った気がした。
『GO!』
「絶対穴よりデカいと思うんですけど…」
少女は気にせずに、怪獣のぬいぐるみをトンネルに通らせようとしていた。
一瞬感じた感情をしまって、少女と遊ぶのを再開した。
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