ネタ帳 | ナノ

  2


―祐希side―



「まだ?」

「…まだ」



帰り道。欲しい新刊が出たから悠太と一緒に本屋に来た。



「立ち読みしたらつまんないよ。どうせ買うんでしょ?それ」

「だって読まないと保存用にもう1冊買う必要があるか見定められないし」



早く帰りたい悠太がオレの腕を引っ張って急かしてくる。

けどオレもここから動く気はない。



「止めなよ。保存用なんて酷な。
本だって読まれてこそ自分の生涯をまっとうできるってもんだよ」

「えー。
まさか、悠太はアニメージャの気持ちが分かるの?」

「そうです分かるんです。早く買ってきて下さい」



投げやりに言う悠太に、ちょっと考えた後……またアニメージャに視線を落とした。



「なんか悔しいな…。オレも分かるまで読もう」



悠太の作戦を逆手に取った言動に、悠太は溜め息を吐く。

「祐希早くー」って言うオレに「もうちょっとー」って返事をした。

prev / next

[ back ]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -