銀色世界を進め! | ナノ


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和樹side.



「うーんっ、今日も良い天気!」



現在時刻5時半。僕はいつもこの時間に起床している。

あっちの世界ではアスカと暮らしてて、家事全般は僕の仕事だったからね。

毎朝掃除して、洗濯して、ご飯作って、アスカを起こす。

でも、ここは前と違って学校には行かなくていいし、アスカを早く起こすっていう作業は無くなるけど。



「にしても、これっていつ発動するのかなぁ…」



今持ってるのは、学園長に渡されたトランプのジョーカー…に見立てた通行証。

一週間経っても自然に戻れない時は向こうから強制的に戻すらしいけど、未だその様子は無い。

一週間どころか、もう二週間は経とうとしてるんですが。

もしかして、この通行証が壊れた!?

……とも思ったんだけど、アスカ曰く「傷も付いてねぇし、大丈夫だろ。多分、あっちとこっちじゃ体感時間が違うんじゃねーかな」って言ってた。

安心出来る訳じゃない。でも衣食住が確保されてるだけいいよね。



「あ、おはよう新八君。早いね」

「おはよう和樹ちゃん。和樹ちゃんも結構早起きだよ」

「癖なんだ。いつも同じ時間に起きるの」

「へぇー。アスカちゃんは?」

「まだ寝てるよ。僕が起きる時、寝言で『お母さんあと5日寝かせて…』とか言ってた」

「5分じゃなくて5日なの!?それ本当に寝言?」

「思いっ切り毛布に包まって寝息立ててたし、寝てると思うよ」



もっと酷い時は『薙ぎ払え!』とか『メラ○ーマ!』とか叫ぶから。

それか『アン○ンマンの顔が硫酸によってどんどん溶けていく…。何でこんなことをするんだ、カ○ーパンマン!』とかね。

その二人の間に何があったのか気になる。凄い気になる。

ツッコミどころ満載で朝から腹筋崩壊しそうになるから、なるべく聞かないようにしてるくらいだ。



「万事屋って、朝は白米派?パン派?」

「僕等はいつもお米だよ。神楽ちゃんがよく食べるから」

「あー、夜兎だもんね。食欲凄いんだっけ」

「うん。本当に食費が大変だよ。二人は?」

「日によって変わるかな。ご飯の時もあればパンの時もあるし」



月末で僕のお給料前とアスカの家から来る仕送り前はクッキーとチョコと紅茶だし。


そんな他愛も無い話をして、家事を分担していたらあっという間に7時。

そろそろ皆を起こさないと。ご飯出来たし。



「ほら、アスカ起きて!朝だよ!」

「うー…」

「朝ご飯も用意出来てるんだから、早くしないと神楽ちゃんに食べられちゃうよ」

「……あと、2日…」

「まだ続いてたの!?せめて何分かで答えてよ!」

「じゃあ…2880分……」

「2880…?って、それ2日じゃん!そういう意味じゃないよ!
なんでその寝ぼけた頭でややこしい計算するかな!!その気力があるなら起きろ!」



頭が良いんだか悪いんだか…。いや、頭はいいんだ、間違いなく。

性格に難有りなだけで。まぁ、それがかなり問題なんだけど。



「起きた? 髪の毛ボサボサだよ」

「ん……はよ」

「おはよう。顔洗って早くご飯食べy」



ガッシャーンッ!



「!?」

「え、何!?何事!?」



リビングから凄い音が聞こえたんですけど!

アスカは飛び起きて、全速力でリビングに向かった。

僕も慌てて追い駆ける。



「銀さん!新八!神楽!」

「大丈夫ですか!?」

「…おー」



銀さんが顔をヒクヒクさせて呆れ返っていた。

どうやら、さっきの音は引き戸の扉が吹っ飛んで壊れた音だったらしい。

もくもくと煙が立つその向こう、一つの人影が見える。

一体誰…?



「ぎーんとーきくーん!おっはよーございまーす!」



この声は…!

機動戦士ガ○ダムSE○DとDE○TINYシリーズのアス○ン、新○紀エ○ァンゲリオンの渚カ○ル、NA○UTOの我○羅、魔法○生ネ○ま!のフェ○トなど、様々なアニメの男性役を担当してきた声優の声。

人付き合いを避ける傾向があるらしく、ネットでは“生きたATフ○ールド”の異名で有名(支部百科事典より!)な人が演じる銀魂キャラ。

“狂乱の貴公子”――桂小太郎さんがそこにいた。



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