我が道を進め! | ナノ


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アスカside.


「そんで、私に頼みたいことって?」


和樹達には先に帰ってもらい、今学園長室には私とババアのみ。
話の内容は、清涼祭で私にやってもらいたい頼み事について。
Fクラスの設備を改善する条件として、雄二と明久には召喚大会に出て優勝すること、和樹には放送室を使って生歌を披露することを、このババアは提示した。
だがその中に私は入っていない。和樹のサポートをしろとは言われだが、それとは別の、尚且つ本題は1対1じゃないと話せないことがあるらしい。


「教頭の件さ」

「竹原ぁ?」

「ああ。アイツを取り押さえてほしいんだよ」

「…またぶっちゃけて言ったなぁオイ。それ、他に聞かれたらマズい台詞なんじゃねーの?」

「だからアンタとサシで話してるんだろう?」

「確かに。で、何で竹原を取り押さえてほしいのさ」

「……如月グループと交わした契約。あれを取り締まっているのは竹原ということは言っただろう?アイツには野心がある。アタシをこの席から引き摺り下ろそうとしてるのさ」

「それは知ってる。で?」

「最近嫌な噂を聞いてね…。アイツが犯罪者と手を組み、ここの生徒を売ろうとしてるって」

「まぁ、間違いじゃないな」


実際それくらいのことをしようとしている。如月ハイランドのプレオープンプレミアムペアチケットを召喚大会の賞品にするくらいだ。アイツは、あそこに行った生徒がどういう道を辿るか予想した上でやっている。
全ては自分が上に立つ為。自分で好き放題したいという欲望を持った哀れな男は、他がどうなろうと知ったこっちゃないのだ。


「ウチの生徒から被害者を出す訳にはいかない」

「だから私と、私の背後にある“あの人”の力を使って社会的に抹殺してほしい、と」

「本音を言うとね」


なんか“あの人”からの頼まれ事を、またババアから言われた気分だ。
2人の頼みは同じ。『文月学園の生徒を竹原の手から守ってほしい』。
“あの人”は後々仕事が面倒になるのを防ぐ為。ババアは自分の生徒から被害者を出さない為。


「それくらいなら請け負うぜ」

「本当かい?」

「もちろん。友達の体調も掛かってるし、今回私も竹原に用事がある」


正しくは、竹原に手を貸している輩にも、だが。
私の仲間に手を出そうと計画し、そして私のシマにもちょっかいを掛けようってなら容赦はしない。

私の仲間は、絶対に守る。
手なんて出させるものか。



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