我が道を進め! | ナノ


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「………ここはどこだ?」

「あ、気が付いた?」


アスカが目を覚ました。
明久君も、同じく目が覚めたみたいだ。


「心配しましたよ?吉井君とアスカちゃんってば、まるで誰かに散々殴られた後に頭から廊下に叩きつけられたような怪我をして倒れているんですから」


瑞希ちゃん凄いね。完璧に当ててるよ。
現場を見てないのにピタリと当てるなんて、勘が良いんだね。


「いくら試召『戦争』じゃからといって、本当に怪我をする必要はないんじゃぞ?」

「あれは戦争じゃないよ秀吉君…。一方的な虐殺だよ。公開処刑だよ…」

「いったい何があったんじゃ…?」


聞かないでほしい。あれはトラウマもんだよ。


「と、ところで、試召戦争はどうなった?」


アスカが恐怖の記憶から目を背けるように、話をもとに戻した。


「今は協定どおり休戦中じゃ。続きは明日になる」

「戦況は?」

「一応計画通り教室前に攻め込んだ。もっとも、こちらの被害も少ないはないがな」


あんまり被害が無いように、僕等も頑張ったんだけど…。
そこは腐ってもBクラス。一筋縄では行かなかった。


「ハプニングはあったけど、今のところ順調ってわけだね」

「まぁな」

「でも姑息ヤローのことだ。油断してたらまた何かやられそうだな」


そうだ、相手は根本君。
気を抜くにはまだ早い。しっかりしないと。


「…………(トントン)」

「お、ムッツリーニか。何か変わったことはあったか?」


今回、康太君は持ち前のスキルを生かして隠密行動に出てもらっていた。
盗撮や盗聴はお手の物。これが出来るのは彼ぐらいだろう。

話を聞けば、Cクラスに不穏な動きがあるそうだ。
勘弁してよ。こっちはBクラスで手一杯だっていうのに。


「雄二、どうするの?」

「んー……」

「戦況が面倒になるのは嫌だぞ。協定でも結んでおけばいいんじゃね?」

「そうだな。少し脅せばなんとかなるだろう」

「僕等が勝つなんて思ってもいないだろうしね」


それは喜んでいいものかどうか。微妙な心境だ。


「じゃ、行こうか。ちょっと人数が少なくて不安だけど」

「あ、吉井。アンタの返り血こべりついて洗うの大変だったんだけど。どうしてくれんのよ」

「それって吉井が悪いのか?」

「島田さんに須川君。ちょうど良かった。Cクラスまで付き合ってよ」


明久君は盾を増やしたいんだろう。ま、いざとなったらアスカがなんとかすると思う。
仲間のことになると凄いもん。
とりあえずCクラス代表さんが帰らないうちに、早く行かないとね。



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