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アスカside.
Dクラス代表、平賀源二。討死。
その報せを聞き、Fクラスの初勝利を飾ってから1日が経過した。
雄二はDクラスの設備は取らず、代わりにBクラスの室外機を動かなくしてほしいとお願いしたそうだ。
まぁ悪い取引ではないから、すぐに提案は呑んでもらえたらしい。
そんなこんなで今日は消費した点数の補給テスト漬け。
「うあー……づかれたー」
「同感。テストなんか無くなりゃいいのに」
「うむ。疲れたのう」
「何で秀吉君はポニーテール?可愛いけど…」
なんて可愛いの秀吉!
ポニーテールなんてもう正義だよ!
「アスカ、和樹。点数はどれくらい取った?」
「400は確実に」
「僕もそれくらいかな」
「そうか」
Bクラス戦は私達も出れるらしい。だから勝てるだけの点数は取った。
400点取ればかなり有利に動ける筈だし。
「さて。昼飯食いに行くぞ!今日はラーメンとカツ丼と炒飯とカレーにすっかな」
「凄い食欲だね…」
「身体の構造がおかしいんだよ」
そんなに食うなら分けてもらいたい。
流れ的に皆で食堂に行くことになった。
「あ、あの。皆さん…」
「どしたの?」
「あ、いえ。え、えっと…お昼なんですけど、その、昨日の約束の……」
昨日?約束?何かあったっけ?
「おお、もしや弁当かの?」
「は、はいっ。迷惑じゃなかったらどうぞっ」
瑞希は隠していたバッグを出した。
弁当って、まさか。
あの、殺人兵器を!?
「迷惑なもんか!ね、雄二!」
「ああ。ありがたい」
「そうですか?良かったぁ〜」
いやいやいや!確かにありがたいかもしれないけど!
お前等は瑞希の腕前を知らないからそんな事が言えるんだぞ!?
私と和樹はあの兵器を知っていて体験もしてるから、正直恐ろしくてならない。
和樹なんか恐怖で顔が真っ青だし。
雄二と美波は飲み物を買ってきてくれるそうだ。少し命拾いしたな。
「(どうしよアスカ…。このままじゃ皆が!)」
「(落ち着け。幸い私等は弁当持参だ。ここは生き延びられる)」
「(皆を見殺すの?)」
「(それしか方法はない)」
私だって命は大切だ。一度あの瑞希弁当を食べて三途の川を渡りかけた記憶があるからな。
次食べたら確実に…………死ぬ。
そんなことを考えてるとは知らず、瑞希の弁当を楽しみにして屋上に向かう明久達に心の中で合掌した。
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