相互記念

優真様宅の要一君が『憂鬱物語』に居たら。
―――――――――――



「……おい、起きろ朔夜」

「ん…お母さん、後2時間……」

「ふざけんな寝過ぎだアホ」



朝。教室で、いつも通りに二度寝をしていた。

そしたら我がクラスのモテるランキング第二位である要一に起こされた。(因みに第一位は桃城)

眠たい目を擦り、挨拶する。

なんだ、まだHRも始まってないじゃん。



「…おはよう、要一」

「おう。昨日何時に寝たんだ?」

「9時かなぁ」

「十分寝てんじゃねーか」



しょーがないじゃん。眠いんだよ特に朝は。

低血圧で自他共に認める程の面倒くさがりである私が毎日同じ時刻に起きて学校に来てるだけでも褒めてほしい。



「おーっす。何だ、朔夜はまだ眠そうだな〜」

「ん?桃城か」

「はよ。たった今起きたんだよ」



朝練が終わった桃城がクラス全体に向かって挨拶をする。

それだけで女子は既に五月蝿くなるんだが。


要一が来た時もこうやって黄色い声を上げる。

まぁ顔は良いと思うよ、桃城。あと要一も。

でも要一は性格が、ねぇ。



「何か失礼なこと考えてねぇか、朔夜」

「さぁ。気のせいじゃない?」



ほら。さらりと読心術みたいなの使うし。

どこかが赤司みたい。

その点、桃城はいいかな。明るいし、元気。

その明るさは私にとって眩しすぎるけど。



「もうすぐチャイム鳴るな。またあのクソ長い話を聞かないといけないのか…」

「俺等の担任、話長いよなぁ」

「要領を得ないと言うか…長い前置きの後に“は?それだけ?”みたいな…」



だから私はHRの時に寝てる。

どーせこっち見ないし。見てたとしてもミスディレで消えてやる。



「――なぁ。一時間目って自習だよな」

「ああ、社会科の教師が風邪らしいな」

「なんならサボんねぇ?暇だろ?」

「おいおい…」



桃城は成績良い方じゃないでしょ。

まぁ、その提案には乗りたい。実際私にとって自習なんて睡眠時間と変わらないし。

恐らく代わりに来る先生もある程度は見逃すだろう。

だったら好きなことしてた方が有意義だ。

要一も同じ考えらしくて、ニヤリと笑った。



「良い考えだな。よし、どこでサボる?」

「体育館は?今の時期どこも使ってないよ」

「またバスケかよ。俺嫌だぞ。朔夜と要一に勝てる訳ねぇし」

「そんなことねぇよ。何度かチャンスくらいはあるだろ?」

「私は女子だしねぇ」



要一は私と同じ、帝光中からの転校生だ。

そして、キセキの世代が勝てない男子でもある。

私も勝てるかは五分五分というくらい強い。

なのにバスケ部じゃない、という…よく分からない才能持ちなんだけど。

ま、そこが要一らしいか。



「とにかく体育館はナシ!」

「分かったよ。じゃあ無難に屋上?」

「それじゃつまんないだろ。……桃城、ラケット持ってこい」

「お、まさかの?」

「外行くぞ。テニスコートだ」

「今日のサボリはテニスかぁ」



鍵はたぶん、適当に言えば借りられるだろう。

ラケットは桃城に貸してもらおうかな。



「んじゃ、行こっか」



面倒な授業を放り投げて。

私達はテニスコートへと向かった。



――――――

優真様、お待たせ致しました!

途中、要一のキャラやら何やらがおかしかったら教えて下さい。

相互有難う御座います!

良かったら貰って下さい。手直しも受け付けます。


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