テスト当日




空は晴天で、雲がゆっくりと流れている。

そんな中、教室に鳴り響く無数の音。


現在、英語のテスト中だ。


開始から30分が経過し、一通り問題を解き終えた私は空を見つめていた。

出席番号順に座っても窓側になれるのはラッキーなことだ。

普通、テスト中に横を向いていたらカンニングになってしまうのだろうが、生憎私はミスディレを使用しているから問題ない。

「ふわ…」、と欠伸を一つ漏らす。



(にしても面倒だなぁ。帝光中に比べればそんなに難しくないし。問題もそこまで多くない…。まぁ、その分配点が気になるけど)



只今3時間目。因みに1時間目は社会、2時間目は理科だった。

ここは1日でテストを全部やってしまうらしいから、かなり体力は消耗するだろうなぁ。

実際、私はもうお腹減り始めたし。


他の皆はどうしているだろうか。


越前を含めた1年生は恐らく大丈夫だろう。教えられることは教えたし、無理にでも難しい問題が出ない限り、70点は固い筈だ。


3年の先輩の方には全くと言っていい程行かなかったけど、一応2年の基礎をまとめたプリントと各教師の出題傾向をピックアップした物を渡してある。

それに加えてデータマンの乾先輩がいる。まぁ平気でしょ。


「では2年生は?」と聞かれると自信が持てない。

海堂達にはやれるところまでキッチリ出来たんだけど、桃城はちょっと危ない。

残りの1週間、何故かやる気が凄かったから、とにかく基礎の暗記をやらせてはいたんだけど…。

応用が出題されれば、かなり点数は下がるかもしれない。



(今のところ、出題されたのは基礎暗記と授業でやった問題を変えたくらい。そこまでの引っ掛けは出てない。
それでも桃城は頭を抱えちゃうんだなぁ……)



チラリと見れば目に入る、桃城の姿。

勘でもいいから問題用紙は埋めておいてほしい。教師がサービスで1点くらい付けてくれるかもしれないし。


しかし、もし解けなくても。

最終手段を、桃城に貸し出している。



『緑間真太郎特製“湯島天神の鉛筆で作ったコロコロ鉛筆”』



テストの際、毎回ガングロバカ(大輝)と忠犬バカ(涼太)に持たせている物。

青学のテストは問題の多くが選択式だ。

だったら役に立つと思い、桃城に今日1日限定で貸した。



(神様。どうかいらっしゃるのなら、桃城に知恵を与えて下さい…)



無宗教でも、こういう時は神頼みだ。緑間風に言うなら“天命を待つ”。

……頑張れ。





欠伸をしながら祈る



mae ato
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -