テスト2週間前


忙しい日々は過ぎ去り、暖かい日差しと心地良い風で眠気が襲ってくる。

欠伸が止まらなくなる――5月になった。

だけど、一気に現実に戻されることになる。

そう――――



「よし、今日はここまで!テストに出るから、ちゃんと復習しておけよー」



この、担任(数学担当)の言葉によって。



「うわああああ!!ヤベェエエエ!!」

「…五月蝿いよ、桃城。何、午後一番に」



先程昼休みが終わり、席に付いた頃。桃城がいきなり叫びだした。

今日は私は担任に仕事を頼まれた為、テニス部と一緒に食べていない。



「聞いてくれよ、朔夜!」



日曜日以来、桃城は私を名前で呼ぶようになった。

理由は簡単。弟に会ったから。

私も名前で呼ばれた方が分かるし、気にしていない。



「どうしたの。先輩に何か言われた?」

「おう。今日からテスト2週間前だろ?俺、頭悪いから勉強しろって言われたんだ……」

「…ああ。そう言えばさっき担任がそんなこと言ってたね」



でもそれくらい当たり前のように言われない?

そう言うと「違うんだ!」と叫んだ。



「テストで赤点取ると補修と追試がある。そうすると部活で練習が出来ない。しかも追試の日は大事な大会があるんだよ!」

「あー、ね。そーいうこと」



そりゃ先輩が心配するわ。

確か桃城はレギュラーだった筈。ならここで赤点を取って補修をやり、追試を受けるのは避けたいところ。

でも私が桃城を見てる限りだと…。



「授業中、寝てるよね。1時間目と5、6時間目は特に」

「うッ……!」

「自覚あるなら起きてりゃいいのに。確かに最近は過ごしやすくて天気も良いし、絶好の昼寝日和だけど」



寝れるなら私も寝たい。

けど授業をサボるのは好きでも目の前で堂々と居眠りはしたくない。

それにテストは良い点数取りたいし。


でも、放って置けないよなぁ…。仕方ない。



「放課後、どれくらい時間ある?」

「え?」

「勉強。教えてあげる」

「マジか!?」

「けど!タダじゃないよ。テスト期間中、勉強を教えた日数分抹茶シェイク奢ってね。1日1本」

「おう、それくらいなら!」



「よっしゃぁ!!」と喜ぶ桃城を見て口元が緩む。

感情豊かでいいことだ。

帰りに本屋で問題集買っておこうかな…。





テスト(地獄)へのカウントダウン

mae ato
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