試合・後編 4
「やれやれ、と言ったところだな」
「赤司…。疲れた」
「トリプルスコアにするんじゃないのか?」
「えー?まさか。相手はもうかかって来ないんじゃない?」
別に過小評価している訳じゃない。
しょうがないことなんだ。
実力が分かれば、そしてそれが圧倒的過ぎてしまったら。
6番はもうコートに出ない。出ても私を相手にはしない。
そんな気さえ起こらなくなるから。
「まあ、それがどうかは次の第4Qで分かる。メンバーは変えず、このままで行く。ちゃんと休んでおけ」
「はーい」
言われなくてもそのつもりだ。
私は男子とは違うんだよ。戦えてもスッゴい疲れるんだから。
「ねえ、赤司」
「何だ?」
「次のクォーター、私、パス回しに徹するから。シュートはそっちが決めてね」
何か疲れた。
そう言えば赤司は「分かった」とだけ言った。
深く干渉してこないところが、いいキャプテンだよねぇ。
「テツヤ、どう?調子」
「大丈夫です。交代して問題は無いですが…」
「まだダーメ。大人しく寝てなさい。今テツヤが出たらは6番だよ?無理でしょ」
「けど、朔夜だって疲れているでしょう」
「インビジブルであんまり真っ正面からやってないから平気。
だから休んどきなさい。大輝も出さないから」
「……分かりました。無茶は、しないで下さいね」
「はいはい」
拳を合わせて、またコートの中に入る。
さぁて、いよいよ大詰めだ。