試合・後編
こいつは、今回の私の敵。
それだけじゃなくて、私の仲間を傷付けた。片割れさえも。
ワザとこいつは相手を怪我させて楽しんでる。
そんな奴は問答無用。
――全力で叩き潰す。
「女だからって容赦しねェぞ」
「構わないよ。というより、全力で来ないと相手にならないし」
試合が再開された。第3Q、残り1分と少し。
出来ることなんて限られてる。
けど、舐めないでほしいね。
「私だって伊達に、キセキと試合してないから」
ボールは帝光から。出すのは涼太だ。
すぐに合図を出してボールを貰う。
「まずは挨拶よ。6番さん」
「来い!」
相手と真正面から対峙するなんて、それは自分と実力が同じだからこそ出来ること。
あんたには無理。
だけど付き合ってあげるわ。
「ミスディレクション、発動」
どれだけ無謀か。
知るといい。
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