女の子してみる | ナノ




女の子ってすごくねちねちしていると思う。
仲良くしているように見せかけて実は影でねちねちと悪口を言っている、なんてことよくある、と思う。ねちねちねちねち。女の子の特徴はねちねちですって言わせるくらいねちねちしていると思う。自分も一応女の子という部類に入るけれど多分そこらへんの女の子よりねちねちはしていない(はず)。態度が気に食わない子がいても影でねちねち悪口を言うことはないし、好きな人の気をひく為に自分以外の女の子の悪い点を周りに見せ付けることもしないし、誰かが失敗しても嫌みったらしく相手の失敗を引きずるようなことも言わない。これは優しさとかじゃなくてただの私の生まれもった性格だ。態度が気に食わなかったらこちらから近付かなければいいし、好きな人に好かれたいのなら正々堂々と勝負すればいいし、誰かが失敗しても人生に失敗はつき物だと思っている。それを理解せずにねちねち言い続ける女の子って怖い。

ぼうっとそんなことを考えていたら誰かに名前を呼ばれたからそちらへ意識を向ければドンッと風丸の顔がドアップであるから驚いたら風丸も驚いて少しだけ顔を遠ざけた。

「びっくりした」
「ははっ、悪いな」
「なんか用?」
「いや、特に用はないけどぼうっとしてたから。考え事か?」
「ああ、うん、考え事。女の子ってねちねちしてるなって」
「ねちねち…?」
「うん」

女の子ってねちねちしてると思わない?そう問えば少しだけ考えるような素振りを見せた後に、悪い、俺男だから分からないと苦笑混じりに言われた。男だから聞いたのにと思うと同時に風丸は分からなさそうだなとも思って私もそっか、と苦笑混じりに返した。
意識を風丸から外して周りの声を聞いてみると、風丸くんと話している子だれ〜?とか、羨ましい〜なんて声が廊下や教室からひそひそと聞こえてくる。当の本人は気付いていないらしく今日のサッカーが楽しみだとか私に話しかけてくる。風丸はしっかりしているし見た目もいいから女の子から人気だろうな。そんな風丸と一緒に話が出来ることに優越感を抱いてしまう。周りにもっと見せてやろうなんて悪い気持ちがじわじわと沸いてきてしまうもんだから未だにサッカーについて話している風丸の手を掴み指を絡めると周りから聞こえる声が少しだけ大きくなった気がする。顔を真っ赤にしながら私を見てくる風丸を見て口角があがるのが分かった。どうやら私も周りの女の子に負けないくらいねちねちしている女の子のようだ。



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