黄色が咲いた | ナノ




みんなの誕生日は分からないから、みんながおひさま園に来た日を誕生日にしてプレゼントをあげる心優しい私なのだけれども、そんな私が現在進行形で怒られている。何故だ。


ヒロトがおひさま園に来た日は星座の本を買ってあげたらすごく喜んでくれた。風介にはハーゲンダッツを3つほど買ってあげたら「フン…貰ってやらない事もない…」とか言いながら受け取ってくれた。そして晴矢には今日チューリップの球根を買ってあげた。そしたら今のように私が怒られているのである。意味が分からないよ。私は私なりに一生懸命選んだつもりなのだがどうやら晴矢は気に食わなかったらしい。

「なんでチューリップなんだよ意味わかんねぇよ」
「私も意味わかんない。なんで晴矢に怒られなきゃいけないの一生懸命選んだのに」
「いや…チューリップはないだろ…お前俺が風介にチューリップってバカにされてるの知ってるだろ…」
「……」

そのことか。私は忘れてたよ。「でもまあ、せっかく買って来たんだから育てようよ」と言って私は球根を持って晴矢の背中を押す。「よくねぇ!」と叫ぶ声など無視してやった。庭に球根を植え毎日水をあげてたら、しばらくして立派な黄色いチューリップが咲いた。私は赤を選んだつもりだがどうやら間違えたらしい。「真っ赤だったら晴矢と同じ頭だったのにね…残念だよ」と咲いたチューリップを見ながら鼻で笑う風介を殴る晴矢を見てヒロトと一緒に笑った。



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