一ヶ月もすると嫌がらせは無くなり、そしてファンの中でちょっとした変化が起きた。ファンが少しずつ減り始めたのだ。学校の女子人口の三分の二が一ヶ月前のファンの人数で、(これも廊下で耳にした情報)今は三分の一くらいしかいないらしい。わたしに嫌がらせをした子たちが既に抜けているのかは、全く分からない。
ファンが減った原因は、どうやら彼にあると噂されていた。好きな子がいて、その子だけをずっと好きになると決めたからファンがいられても困る、ファンも、彼がそう決めたのなら彼の幸せを願いましょう、と潔く身を引いたとか。何とも平和的な解決の仕方だ。

それで、問題は彼の好きな子のことだ。ファンはこの件に関してはあまり深く関わろうとせず、ただ普段の学校生活の中でのんびりと情報を集めている。集めているといっても、かなり受け身な態度で、自分から詮索することは最早禁止事項とまでなっていた。残り少ないファンは、彼の幸せを願う応援団、強力なバックアップになった。もしかしたら彼の狙いはこれだったのかもしれない。他力本願的な面がちらりとうかがえた。






机の中に手紙が入っていた。読めば、恐ろしく達筆で身震いがした。内容はシンプルなもので、単なる呼び出しだった。差出人は無し。だけど誰だかは考えずとも分かった。待ち合わせ場所が、彼と最後に会話したところなのだ。

 

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