恐ろしく純粋な人をわたしなんかで汚したくなかった。彼はわたしなんかと釣り合わない位置にいる人(神?)で、わたしなんかが手を出してはいけない。だけど、長い間「これ」を心に秘めておくのは人間のわたしには出来ない。だから、本当にごめんなさい。わたしは、わたしの気持ちが軽くなりたいからあなたに泥をふっかけます。






「…それ、本気で言ってるの?」

いいえと首を振ってもう一度同じ言葉を繰り返すと、「しつこいよ」と冷たい目で見られた。わたしは大いに傷ついた。勝手に告白したくせに、わたしって勝手だから、拒絶されると悲しくなる。目の前の神様は訝しげな目を変えない。

「君、変わってるよ」

きっぱり言い切られたが、事実なので受け止めよう。今まで何の交わりを持たなかった奴がいきなり「好きです」と言う方がおかしいのは既に世間に出回っている常識だ。でも好きなの、わたしへの返事をください。

「好きだけどね、僕も」

奇跡が一つ、女神が舞い降りてわたしを包んだ。どうやら祝福してくれてるようで、その顔は微笑みをたたえている。やったよ女神。わたしと彼は両想いだよ。

「ただね」

彼の口調が変わったことに気づけなくて、女神と熱い抱擁をしていた時に彼の手がわたしの肩を上から圧迫した。掴まれた状態だ、肩を。わたしはいわゆる「電波」と言われる種族の人間で、あまり関わってくれる友達がいない。電波族は嫌われる運命にあるみたいで、クラスにいたって真空パックされているようで息が詰まる。冷凍されて袋に入った魚って辛いんだな。魚の気持ちになって感慨に耽る。
いいかい、と言った彼は穏やかな態度であった。これはわたしに何か言い聞かせるつもりだ。彼の言うことは極力素直に聞きたいと思ってる。彼の言葉を聞いてる時は勝手な解釈と脳内変換は禁止事項だとカウントされる。


















「ただの同情で僕に好きだと言ったのなら許さないよ」



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