純情ってわけではないけれど、みんな私と同じなのだと思っていた。なのに、私と一緒にランチを食べる友達は口々にとんでもないことを言いのけていく。私は途方に暮れる他なかった。だって、まだ私たちは親元から自立もしていないのに。「処女はこの前までね」「じゃあ今の彼とついに?」「そうよ」――しょじょそうしつなんて聞き慣れない言葉がぼんやりと頭を駆け巡る。

「私はもうとっくのとうに」
「私は半年前ね」
「私は三年前かな」

みんな感覚がおかしい。「あんたはどうなの?」処女ってものは大切にしなければいけないとお母さんに教わった。だから言いつけを守って、一度も男の子に身を許したことなどなかった。それが普通だと思っていたのに。私がおかしいの?

「勝負下着何着持ってる?」
「五着かなー。彼、意外と選り好みするから」
「私は三着よ」

友達に私の意見を求められた。「わ、私は…」勝負下着なんて、買ったことも買おうと考えたこともない。私は馬鹿正直な人間なので、持っているとも嘘を付けずに素直に持っていない、とそれだけ言った。途端にアンビリーバボーの声が一斉に沸き起こる。有り得ない!嘘!信じられない!などの様々な悲鳴(と言うにふさわしい)が耳をつんざいて私を非難する。

「じゃあ一緒に寝たことないの?」

ないです。半ばうんざりした呆れた顔で、哀れみの瞳で見つめられて、私は居心地の悪い気を掴んだ。そうか、彼女たちと私は住む世界を違えてしまったんだ。

考えれば―…。勝負下着なんてなくたって、彼は私に一度も不満を言ったことなどない。それに、彼は私とキスをした時、それだけで充分そうな顔をしている。私は彼とそのような付き合い無しでやっていける自信がある。私はそれを証明してみせる。決意の表情でテーブルにお金を置いて席を立った。




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