「リュウジ!見て!」

ぶほっ、と勢いよく飲んでいた麦茶を噴いて盛大に噎せるリュウジを気にかけることなく、私はホワイトシャツの前を開けて着けた勝負下着を見せびらかした。薄い紫色の水玉の下着。しかもレース付き。これでも勝負下着だ。リュウジの顔は真っ赤で、親父のように咳をして気管に入ったお茶を押し出そうと奮闘している。全く、あの涼野も呆れるくらい純情なんだから。

「い、いいからボタン…」
「ね、どう?」
「……っ!?」

近付いて、リュウジの目と鼻の先で下着を披露する。鼻と口を右手で覆ったリュウジの顎に赤い液体が見えた。






「まさかそこまで純情だとはね」シャツのボタンをしっかり留めて、顎についた鼻血の跡を濡れタオルでふいてやる。鼻にティッシュを詰めたリュウジは、まだ少し顔に赤みを残しながら、俯き加減に落ち込んでいる様子だった。そんなに気を落とす必要なんてないのに。男として情けない姿を晒した、とでも思っているのだろうか。

「リュウジにはちょっと早かったね」
「……本当、やめてよね」
「分かったよ」

鼻に詰めたティッシュを替えて、リュウジは俯いていた顔を上げた。

「…でも、いつかは君の期待に応えてみせるから」

鼻の下に流血の跡がある。取り替えたティッシュが赤く染まった。



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