爽やかに変態なバーン






「今日から私が君たちの食事係になりました」

ガゼルはあからさまに不機嫌そうな顔に、グランはいつもの優しい微笑みでへーと微妙な答え、バーンは足をテーブルに乗っけて反応無し。な、なによ、誰かやったあ!とか言いなさいよ!その前にあなたたち、なんで三人だけみんなと別の食事を食べるのかとか疑問に思いなさいよ!(理由は、お父様が『これからの戦いは摂らなきゃいけない栄養素が今までと大きく違いますからね。君はあの三人をよく見てくれている。料理も出来ることですし、君には三人だけのオリジナルメニューを作っていただきたい』って言われたからなんだけどね)

「ということで残さず食べることがルールとなります」
「大体料理作れるのか?」

ガゼルの、攻撃ともとれる問いかけに、私はぴくりと頬を引きつらせた。な、生意気…!!あなたたちのおやつがクッキーだったりスコーンだったりした日があったでしょう!それ私の手づくりなんだからね!幸いグランは聞き分けいい子だったので、「そうだったんだ。どうりで店より美味しいと思った。ありがとうございました」と丁寧に嬉しい言葉をくれた。グランはいい子だなぁ、彼だけ味付け少し変えて贔屓しちゃおうかしら。

「大体お前はまだ高校生、三食作る程の暇も無いだろう。昼間は学校なん」
「それならお父様が休学許可を取ってくださいました」
「……」

睨まれるがそこは華麗にスルー。最近の中学生は怖いねーガゼル限定だけど。

「それで、みんなの嫌いなものを教えて欲しいんだけど」
「オレはね、生のブロッコリーが苦手かな。あと極端に酸っぱいもの。例えばレモンとか」
「ふんふん…ありがとうグラン。じゃ次ガゼル」
「私は熱いものが苦手だ」
「嘘はやめよーねー嘘は」
「っ嘘じゃない!」
「でもガゼルさ、この前レンジでチンしてたよね」
「……っそれは」
「はいありがとーガゼルは嫌いなもの無しってことで。偉いねガゼルかっこいい」
「っ!」

単純。ガゼルはつんけんしてるけどかっこいいとかそういうとこ好きとか言っちゃえば大人しく言うことをきいてくれる。ふっふっふどれだけ一緒にいたと思ってるのそんなこと既に調査済みよ!

「はい次バーンね」

ガゼルとグランの言い合い(というかガゼルからの一方的な喧嘩)を尻目に、バーンに質問するが、バーンは答えず、代わりにじっ、と私は見つめられる。え?あ、考えてるのかな、もう少し待ってあげよう。
いきなり嫌いなものは?と訊かれて即座に答えられる方がすごいものね。…そろそろいいかな?バーンはさっきと変わらず私を見てるけど、さすがにもういいだろう。私が口を開いたと同時にバーンは言った。

「オレは三食名前がいい」






非純粋少年
な、ななな…バーン!?
大変だな名前、毎日三回だと食事も満足に作れないんじゃないか?
根性と気合で頑張るんでしょ。ね?
二人ともひどい!




 

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