一日かけて私を守るという約束を果たしてくれたのは、約束をしてから一年と三ヶ月後の時だった。普通は一生かけてじゃないの?ときけば、それは約束出来ない、と返された。意味分からなかった。変わってる、と文句を言えば、みんな違ってみんないいからな、と返された。変な奴だった。

「私はお前が気に入った。お前が欲しい」

沖縄で再び会ったエイリア学園のイプシロン(改になったらしい)だかマキロンだか知らないが、私はそのチームのキャプテンにそう言われてしまった。そのキャプテンは、勝ったら私をもらうと勝手に条件を付けた。ちょっと待て、私はいいと言ってない。

試合が始まると、吹雪くんが猛攻撃を開始した。が、あっさり敗れ、相手のキャプテンに必要ない宣言をされてしまった。酷くない?吹雪くんほら倒れちゃったじゃん、あんな奴嫌い。相手のキャプテン…デザーム?だっけな、は私を見てにやりと笑った。
試合は進み、私たちは負けていた。吹雪くんがベンチに入ったことで得点は難しくなった。このままイプシロンが勝てば、私はデザームのものになってしまう。絶対嫌だ、私には好きな人がいるんだ。奴の女になんかなりたくない。
いよいよ後半も半分を過ぎ、雷門は一点も取れず、みんなは疲労の色を見せ始めた。吹雪くんがいなくなったことで目金くんが入ったが、正直役に立たず、かと言って一ノ瀬くんや鬼道くんがフォワードにあがるのもリスクがある。万事休すか、円堂くんのメガトンヘッドで跳ね返ったボールがラインの外に出た時、フードを目深に被った人が現れた。誰だと観客がざわつき、雷門も顔を見合わせ首を傾げる。その人はゆっくりとフードを取った。




一日かけてお前をまもる




見たことある人だった。そいつとは奈良まで一緒だった。監督にチーム脱退を言い渡され、どこかに消えた人だった。豪炎寺、修也。彼が帰ってきた。
雷門は一気に喜びで沸いた。瞳子監督はすぐに彼を試合に出した。みんなの期待は大きく、久しぶりに見る彼の背中は頼もしかった。

彼は本当に進化していた。前よりパワーアップしたファイアトルネードを使い、イプシロンのゴールネットを揺らした。デザームが彼に興味を示し、フォワードからキーパーに戻った。デザームの必殺技を止められるのか、彼に全てが賭けられる。




一日かけてお前をまもる




見たことのない必殺技で、彼はデザームのドリルなんとかを突き破った。試合が終わり、私たちは勝った。雷門イレブンは大きな声で勝利を叫び、喜びを全身に表した。私も喜んだ。デザームを見ると、私を見て悔しがっていた。ざまあみろ。その後空からボールが落ちてきて、チーム名をダイヤモンドダストと言った奴がイプシロンを消した。急なことでただ立っているしか出来なかった私たちに、イプシロンを消した奴が試合を挑んで戦いは終わった。

彼が私の元へ歩いて来た。私も彼の前へ歩み寄った。久しぶり、と声をかければ約束守っただろと笑って言われた。なるほどね、といたずらに言えば、彼から好きだと愛を返された。






一日かけてお前を護る
待ってたよ、おかえり。




 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -