更に目を合わせづらくなってしまい、私は只今後悔の波に呑まれている。風丸なんかに言わなければ良かった…どんよりとため息を吐く。嫌だ、豪炎寺と会話出来ない。今まで一度も会話出来なかったのだ、ショックは大きい。あぁでも、会話してていきなり気まずくなるよりはいいかな。

「おい」
「はぁ…今話しかけないで」
「何故だ」
「豪炎寺と気まずくなっちゃって落ち込んでるから」
「オレと話せないと落ち込むのか」
「そうだよ、だって…え」

今私誰と話してるんだ?オレと話せないと…?

「ご、ごごご豪、炎寺」
「……」

え、何で豪炎寺が私と会話してるの?何で豪炎寺が私の机の前に立ってるの?あれっ夢か。

「いだだだだ」
「…何してるんだ」

豪炎寺は確かに私の前にいる。私は豪炎寺と目を合わせることが出来なくて、俯く。心の中は嵐。豪炎寺とどう話そうか、何を話そうか、軽く目眩までしてきて、冷や汗が出る。

「さっき」

豪炎寺が話しかけてきた。静かに唾を呑み込む。

「何て言おうとしたんだ」
「え?」
「だって、の続き」

……い、言えない!

「別に、何も…」

刺すような視線が痛い。痛いけど、それを言ってしまったら辛い関係になっちゃうと思うの。今はただの友達。だけど、私が好きと言ってしまえば、友達としてもいられなくなってしまう。その方が、刺すような視線を送る豪炎寺よりもずっと怖いこと。黙ったままでいると豪炎寺は背を向けた。そして一言。

「…オレは、お前と話したいとずっと思ってた」
「えっ…」

豪炎寺は教室を出て行った。入れ替わりとでもいうように風丸が入ってくる。私の血の気の引いた顔を見て、慌てて駆け寄ってきた。






待って!
教室を飛び出した


 

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