宇宙人基山 大変だよ!そう言って窓をガンガン叩いた時、時刻はまだ七時ちょっと過ぎだった。布団の山がもぞりと動いたのを視認する。生憎鍵がかかっているので侵入は不可能、ひたすらに窓を叩く。「ヒロト!起きてるんでしょ!」正月早々すまん。だけどヒロトだから遠慮はしない。 「怖い初夢を見たんだ」 真剣な顔の私に対して欠伸をして会話に臨むヒロトは、どう見ても私の見た夢からはかけ離れた存在だ。眠そうに目を擦るヒロトの眉間は波打っている。あぁ本当に申し訳ないね。 「どんな?」 「あのね…」 所詮初夢だから、しかも他人の初夢だから塵ほどにも興味はないことは承知の上、私は初夢を話す。「ヒロトがね、実は宇宙人なの。エイリアン」 「え?」 「でも初夢だから有り得ないけどさー、年の始めから変な夢見ちゃったよ。それでさ、エイリアンのヒロトが世界征服をするとか言って私の家に来るの」 ヒロトは目を開けて非常に驚いていた。そして、ヒロトの口から妙なことが告げられたのだった。 「バレた……」 「……え?」 |