空に浮かぶ中学なんて、と笑った君は、今自分がこの地球に存在していることの方が奇跡なのだということに気づかない、ただの凡人なのだ。卵に辿り着く精子の確率、着床して受精卵として成長し、46本の染色体が23本に何事もなく減数分裂する確率、そして五体満足となる確率、生まれてから健常者となり社会に出られる確率、それら全てを算した結果が、宙に浮かぶ中学よりもずっと確率が低いということにいち早く気づいたのは、8388068分の1の確率でここに生を受けた僕であり他の誰でもない。今目の前でこの話をきいている彼女も知らなかった事実であるし、この話を一ヶ月先まで覚えているかも分からない。自分だけでいいのだ、この奇跡を信じるものなど、一般人には分からないこの難解な数式に似た言葉(文字の羅列)は自分が作り出した文明と信じて、僕は今日も今を生きる。






くだらぬ世界を断絶


 

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