昔から知っていた
どんな性格だとか、好きなもの嫌いなもの
悩みはいつも俺に打ち明けてくれて
泣き虫だったあいつをいつも守るのは俺だった
―俺がいつでも守ってやるよ
あの言葉に嘘はなかったのに




現実ってすごく残酷



「好きなんだ、蘭丸のこと」
まっすぐ俺を見て
「だから、付き合おうよ」
サッカー以外でこんな真剣な顔をする神童を久しぶりに見た
神童のことは好きだ
だけど
「神童、あのさ」
言わなきゃいけないのは反対の気持ち
「サッカー好き?」
「うん」
「ピアノ好き?」
「うん…で何が言いたいの?」
「神童は勘違いしてる。サッカーが好き、ピアノが好きそれと同じ」
「何言ってるんだよ」
「ずっと一緒にいたから勘違いしてるんだよ。ちゃんと好きな人「蘭丸が好きなんだ」
「ごめん、俺はお前にそんな気持ちない」
「蘭丸…」


神童の気持ちを踏みにじった俺は本当に最低だ
ちゃんと告白してくれたのに
俺だって神童のこと好きなのに
でも、神童と俺とじゃ釣り合わない
金持ちと庶民はやっぱり友達以上ではいられない
俺じゃ幸せにできないんだ

昔は泣いている神童を守ってやった
今、神童を泣かしているのは俺で

本当に、ごめんね
戻れるなら幸せだったあの頃に…




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