Charge

口を開けば
「サッカーやろうぜ」の円堂が今日はサッカーのことを何も言わなかった
それどころか外に行こうともせずただベッドの上で俺と手を繋いでいる

FFIが終わって日本に帰ってきた
取材やインタビューなんかも大分落ち着いてきて久々に円堂が家に泊まりに来た
なかなか忙しく、会えないのはやはり寂しものだ

「今日は、サッカーしないのか?」
いつもなら暗くなるまでサッカーをするのに
「んー?サッカー?今日は別にいい」
「お前がそんなことを言うのは珍しいな」
本当にどうしたものか
寝ても覚めてもサッカー馬鹿の円堂がこんなことを言うのは熱でもあるんじゃないか
「熱でもあるとか思った?」
「えっ」
読心術でもできるのかこいつは
「熱なんてねぇよ。ほら」
そう言って円堂の顔が近づく
そして円堂の額と俺の額が重なった
「鬼道のが熱いよ」
「そっれは…」
「もしかしてキスすると思った?」
「えっ」
「する?キス」
「…………する…」
嗚呼心臓がうるさい
繋いだ手がますます熱くなる
目をつぶって数秒後に唇に感触
そして離れる
「はは鬼道顔真っ赤」
「お前がっ」
恥ずかしい
なんで円堂は平気なのか
「何で今日サッカーしないかわかる?」
「そんなこと知るわけないだろ」
そう言うとまた近づく顔
反射的に目をつぶる
身体にかかる重みに目を開く
円堂が俺に抱きついていた

「有人のそばにいたいから」

だから、今まで一緒にいられなかった分の充電

耳元で呟いた

耳も真っ赤
そう言って笑った円堂もなんとなく赤かった寂しかったのは俺だけじゃない





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けむさん→円鬼 甘々
甘いってな〜んだ?
そして中途半端ごめんなさい
けむさん捧げます