「夕香が倒れた」
それを言うために俺の教室まで来た豪炎寺の顔は真っ青だった
今日は部活に行けない、そう言ったけど今の豪炎寺を見る限り、部活どころではない
「今から夕香のところに…」
消え入りそうな声で喋る豪炎寺にお前の方が大丈夫かと思ったがそんなことを言う前に豪炎寺は自分の教室に帰った

次の日もその次の日も休んだ豪炎寺が心配になり、様子を見に行く途中で見つけた
鉄塔の上で夕日を眺めていた豪炎寺は制服で
名前を呼べば俺を見て
「えんどう」と多分こう言っただろう口だけが動いた

階段を上って隣に立つ
「学校に行こうと思ったけど、なんかそんな気分になれなくてな。部活行けなくてごめん」
こんな弱々しい豪炎寺を見たのは初めてだ
「夕香ちゃんは?」
「ただの風邪だった」
「そっか、大したことなくてよかったな」
「うん」
「なぁ豪炎寺」
「ん?」
「お前頑張ってるよ。仕事で忙しいおじさんの代わりに夕香ちゃんの面倒見て、サッカーではエースストライカーとして頑張って。でも俺辛いんだ。絶対に弱音はかない豪炎寺見てるの。たまにはさ、たまには弱いとこも見せてよ。泣いていいんだよ。甘えていいんだよ」
そう言って抱き締めれば豪炎寺はぎゅっと俺の腰にてを回して
「ありがとう」
それだけ言って静かに泣いた

空は真っ暗になって、あちこちからひぐらしが鳴いていた

帰るとき初めて手を繋いだ
「また肩貸して」
こう言った豪炎寺の顔は暗くてよく見えなかった


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意味わからん^w^


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