「今日から冬花のお母さんだ」そう言ったお父さんの後ろから出てきたのはよく家に遊びに来ていた人。昔のお父さんの同僚で、とても綺麗で、優しい。家に来るときはいつもケーキやお菓子を買ってきてくれて、休みの日は一緒に買い物や映画なんかに行っていた。「こんにちは、冬花ちゃん」笑顔で言われた。嫌いよ。あなたのその笑顔。きつい香水も、高そうな服を着ているところも、お父さんの腕をつかんでいるのも。本当は私なんて邪魔なんでしょう?お父さんとこの人の間に子供が生まれれば、私は他人だ。他人の家族に他人の私。嗚呼、嫌だ。こんな人。お母さんなんて要らない。お父さん、私だけを見てよ。他人の兄弟なんて私要らないの。二人だけで暮らしていきたいの。「こんにちは。お母さん」そう言ってやれば喜ぶこの人は、私の気持ちも知らないのね。かわいそうな人。「よろしくね」「よろしくお願いします」こう答えれば私はいい子。でも本当は、悪い子なの。こんな悪い子は嫌でしょう?だから、早く出ていって。お父さん、私この人嫌いなの。いつか届いてこの思い。




----------------
題名全く関係ない



( back )

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -