※風→←不







午後の練習が終わった
明日が決勝と言うこともあって中々のどを通らない食事をやっと済ませた
そのまま大会最後の夜を過ごすべく、部屋に集まったりしていたがどうしても不安な俺はボールを持って外に出た
しばらく練習をして、宿舎に帰ろうとしたとき
「こんな時間まで練習かよ」
振り向けばそこにいたのは好きな人
「お前みたいに自信なんて持ち合わせてないからな」
「俺だって自信なんてねぇよ」
そう言って笑った顔はいつもの皮肉な顔じゃなくて、月明かりに照らされた顔はすごく綺麗だった
俺はいつからこんなに好きになったのか
「何しに来たんだよ」
「風丸クンに会いたかったからだよ」
「えっ?」
思わず出た声は裏返っててカッコ悪い
「はは、何だその声。なわけねぇだろ。言ったろ?俺もお前みたいに自信ねぇって」
不動はそう言うと俺の足元にあったボールをとった
「来いよ」
そのまま一対一の勝負に流れていった
明日が決勝なのにとか早く風呂に入らなきゃとか考えたけど、やっぱり不動と一緒にいたい
気持ちを伝えたわけじゃない
この大会が終わったら…ずっとそう思ってきた
俺が言って、不動が引いてそれで終わりかもしれない
たとえ両思いになっても愛媛と東京なんてそう簡単に行ける距離でもないけれど
それでもどうしても言いたかった
「ボーっとしてんじゃねぇよ」
その言葉で我に返った目の前にいたはずの不動は俺に背を向けてゴールに走っていった
そのままゴールを奪った不動はその場に大の字に寝転がる
俺も隣に寝転がった
「ハァ…ダメだぜぇ…考え事なんて…相手に漬け込まれちまう…」
「わかってるさ…」
考えてたことを思い出して赤面した
明日言わなきゃなぁ…
赤い顔を見せないように上を向く
目の前に広がる真っ暗な空
それに散らばる星と今も自分達を照らしている月
今なら…
「不動…」
「ん?」
「月がきれいですね…」
「…は?何で敬語なんだよ。きも」
意味わかってないなこいつ
「もう戻ろう」
「あぁ」
先に立ち上がった俺は不動に手を差し出す
「あんがとよっと」
そう言いながら立ち上がった不動はパッと手を離す
少し寂しい
「さっきのさ」
「さっきの?月がきれいですねってやつ?」「そう」
「それが?そうだねきれいだねって言えばよかったの?」
「明日も言ってやるよ」
「いや別にいいよ。明日の月なんて今日とたいしてかわんねえって」
「いや、絶対言う。別の言葉で言ってやるよ」
「一人で言っとけ」


俺は明日不動に告白をする

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一方通行じゃないです
実は両思いみたいな
風丸クンに会いたかったからだよが本心
月がryがわからん人はググればわかる!


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