じょじょ四部 | ナノ
俺自身はここのところバイトと大学で何かと忙しかったのだが、この間にも仗助達は色んなことがあったらしい。とんでもなくウマイ、スタンド使いがやっている食べると体が健康になるイタリアンレストランだとか、仗助の父親だとか、その父親が拾った透明になるスタンドを持った赤ん坊だとか、偏屈な漫画家だとか(確かこの前やたらと鋭利なものが刺さったような怪我してたの手当てしたなぁ、追及はしなかったがあの時か)。仗助の現状報告に、へぇ!だとかほぉ!だとか驚いたフリをしてやると仗助は子供の様に喜ぶ。まあ残念なことにどの話も一度漫画で読んだし、言われるとあぁ、そんな話もあったなぁと既視感バリバリな内容なわけだが。イタリアンレストランには一度実際に行ってみたいと常々思っていたし、今度連れていってもらおう。仗助の父親、つまりジョセフだろう?会うことはないだろうなぁ。そういえば空条承太郎にも会っていない。別に会いたいという程ではないが。あれ、俺億泰にも会っていない。そう気付いて自分がかなり重要人物に会っていないことに気がついた。会ったことのあるのは仗助の家の人と康一くん、あとカウントしていいのかわからないが岸辺露伴にも会うには会ったなぁ。

「んぁ、そーだ、和真さん!何か欲しいもんありますか?」

リラックスしたように俺のベッドに寝転んでブランド物のカタログ雑誌のようなものを読んでいた仗助が思い出した様にこちらを向いた。俺は読んでいた参考書から顔を上げて、首を傾げた。

「俺の?」
「はい!実は俺、この間ちょっと臨時収入があってですね〜、いつも和真さんに買ってもらったり奢ってもらったりお世話になってんで、お礼でもしようかなァ〜って」

臨時収入か、高校生の臨時収入なんてたかが知れてる。が、ブランド嗜好な仗助は意外と金に厳しい。持ち前の愛嬌と年下の権力で割りと歳上(俺)から美味しい思いをする事が多い、その仗助が人に(俺に)対して出費をするだなんて相当な珍しさだ。これはかなりの収入があったことは固い。
だがしかし、高校生に高額なものをねだるのは大学生として些か問題がある。精神年齢にするとさらにその倍は生きているのだから、と考えると最早問題しかない。
あ、そうだ

「そうだな、じゃあさっき言ってたイタリアンでも連れてってくれよ」
「ええっ、そんなんでいいんすか!?」
「そんなんって、すげーんだろ?そのシェフ」

いやぁ、そうなんすけど…
苦虫を噛み潰したような顔でモゴモゴと仗助は答えた。
仗助からすればあんまりいい思い出はないかもしれないが、俺は行きたい、何でもって言っただろ?え?言ってない?
さて、俺どっか体調悪いとこあったかな。体の悪いところが治るんだったよな。現状あるのは寝不足と肩こりくらいか。試験期間とか顕著に出るし、その辺りで行った方が回復量が多そうだな。ラストエリクサーは死ぬ手前で使う方です。

「んんぅ〜……」
「まぁ、今度でいいし、考えといてくれよ」
「俺的にはその間に気が変わるのを願ってるっす……」

仗助には悪いが、20年来の願い、変わることはないだろう。