( とらわれて )



その冷たい視線に捕らわれてーとか思っちゃう俺はMですか?




「さーがーみー」

「来たな。変態」

「ひでーぇ」


人を変態呼ばわりするこいつは、高2の今年、同じクラスになった相模。

かなり冷たい性格で、頭良くて、顔よくて、ようするに性格良ければパーフェクトボーイなのだ。

なんか頭よすぎて授業のかなり先までやっちゃってんだって。

嫌味か!
こいつ何しに学校来てんだ?って思って聞いてみたら

『家にいてもつまんないし』


だってよー!
学校に来てもつまんなそうにしてんのにそれはないでしょ!

そっから相模を気に入っちゃった俺は相模の冷めた心に温かさを与えましょうと近づいた。



元々性格は悪くはないらしく(口は悪いけど)絡みにいけば普通に接してくれた。


今では一緒にお昼を食べちゃうほどの仲なのです。


今日は天気が良いので、屋上でお昼。


「今日も一緒に帰れる?」


彼女か!って質問だけど俺は毎日聞いている。


帰り道が途中まで一緒と知ってからは一緒に帰るようになった。


「あー……」

「都合悪い?」

「今日委員会あんだわ」


少し残念そうな顔をして手元のお弁当を眺めている。


ちょ。かわいいなぁ、おい。
自惚れちゃいますよ?


「うん、わかった。じゃあ教室で待ってる」

「え」


手元のお弁当から目を離し、俺を見つめる。


「暇だし、待ってるよ」


だから一緒に帰ろうとその目を見て言うと、相模の顔がほころぶ。


「ありがと……光希」


初めて名前を呼ばれた。


あー……俺、Mで良かったわ、なんて思い、俺に向けられる視線が温かいものになった今、ますます捕らわれていた。



顔が熱いです。
あなたの視線で溶けちゃいます。




end

* もどる すすむ #


back



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -