( 2 )
週明け。
相変わらず教室では目も合わない。
それなのに帰りは一緒。
もうなに考えてんのかわかんねー。
誰か教えてくれ。
今日も俺は数メートル後ろを歩く。
いつまでこんな関係?
いや、どんな関係?
わけわかんない自問自答を繰り返す。
しばらく前を向いて歩く。
( 振り向け )
( 振り向け振り向け振り向けっ )
あー、やっぱりだめか。俺にテレパシーなんてないんだな、なんて偏屈になってみたりして。
視線を足元に戻そうとしたとき、視界に変化が起きた。
( え、 )
あいつがこっちを、向いてる。
振り向けとは念じたが実際振り向かれるとどうしていいかわからない。
びっくりして固まってると。
「お前さ……」
「……はい」
はいってなんだよ俺!敬語じゃんっ
「まだ、その、好きか?」
「……は?」
「俺のこと…………」
ばつが悪そうに視線をそらすあいつ。
なんだこれは。
なんの羞恥プレイだ。
付き合ってもいないのに早すぎるのではないか。てかかわいいんだが。
「うん……好き」
「そっか」
「うん……ごめん……」
「なんで」
「だって……こんなん……嫌じゃんね」
やべ、言ってて泣きそう。
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「…………嫌、だろうな」
「………………」
「でも、すんなり受け入れられた」
「…………?」
「俺もさ、戸惑ったわけ。俺ってホモだったの?って。でも普通に女子にムラってするし。じゃあお前に対する感情は?って」
「………………」
「でもさ、なんかもーどうでもいいんだわ」
「え、」
「お前とならホモでいーや、って」
「な、な、な」
「ごめんな、お待たせしました」
「お前…………急すぎる……」
「うん、なんか振り向いてお前の顔みたら、ぶあーってなった」
「なんだよそれ」
あはは、と笑うあいつの顔は、最高にかっこよかった。
次の日からは、2人仲良く肩を並べて歩く後ろ姿がそこにはあった。
end
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