( なめんじゃねえ! )
『俺、こいつとつき合うから別れてくれ』
『ごめんな!でも、俺の方が龍騎を愛してやれると思うんだ!』
『光……』
『龍騎……!』
そんな2人をただただ見つめる俺。
生徒会副会長の加賀 雅だ。
そしてその数時間後。
なぜか、なぜか生徒会室にひとりで書類やら仕事やらを処理してる。
「……って、」
手元にあった書類をぐじゃりと握り潰す。風紀に提出するものだがそんなの知るか。
どいつもこいつもあのマリモに惚れただのほざきやがって……!
「ふざけんなっつーの!」
もうやだ知るか。
あのクソ会長がしつこく迫ってくるから付き合ってやればあっさり鞍替えしやがって。
しかもよりにもよってあんなマリモに!
ばっかじゃねーの。
考えたらますますムカついてきた。
あのマリモが来てから2ヶ月と24日。
あのクソ会長とクソ役員共はいつ目が覚めるのかと待ってみれば一向にその気配はないし。
ちなみに今の俺の姿を見たら全校生徒、役員共すら驚くだろう。
普段の俺は生徒会役員として自分を律し、生徒会副会長として学園に貢献しているのだ。
間違っても書類を握り潰したり、下劣な言葉を吐いたりしない。でも中身はいたって普通な高校生。言わないだけなのだ。
でももうそんな風に自分を飾る必要もなくなる。
辞めてやる。
今日こそ辞めてやる。
机の引き出しにしまっていた辞任届を手に持ち、顧問のいる職員室へと向かった。
*
「却下」
「は?却下じゃねーから。受理さっさとしろ」
「いやいや、なんかキャラちがくね」
「違わねーから。生徒会っつーから真面目にしとかねーととか思ってたけど他の奴らの不真面目っぷり見てたらばかばかしくなったのと、もう生徒会じゃないんで」
「まだ受理してないからね。てか俺は顧問てだけでそんな権限ないからね」
「使えねーなあ。いーよ、じゃあ直接クソ理事んとこいってクソマリモの文句言ってくるわ」
「やめてまじで!俺クビになる!」
「使えねーんだからなっちまえ」
「やめてえええ!」
end
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