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「は?」

「だから、なんでお前毎日俺らといんのさ」



夏休み10日目。
どうやら俺の元彼は音信不通状態らしい。




「だからさ、あいつ張り切ってたわけよ。夏休みはお前と遊ぶからーって俺らの誘い断りまくり。なのにお前が俺らといるとか、なにあいつ嘘ついたわけー」


むすっとしている目の前の友人Aはおいといて、どうやら奴は俺と遊ぶ気だったらしい。

だが。

夏休み3日前の時点では誘われてなかったぞ。別れを切り出したときも普通にいつもと変わんなかったし。



「……つか、あいつ嬉しそうにとかすんの」


まだむすっとしている友人Aに問いかける。あいつ、基本的に無表情じゃねえか。



「ああ、お前知らねーのか。あいつ、前はすげー感情豊かだったんだぞ?」

「は?」

「あいつの父親がさ、事故で亡くなったのは知ってるよな?そのとき、あいつかなり精神的に不安定になって、今みたいに音信不通になったわけよ」

「………は?」

「なんか、連絡とりたくてもアドレス全消ししてメールも電話もできないし、きても誰かわかんなかったんだって」

「はあ、」

「時々さ、ふらーといなくなんだよ」

「はあ?」

「お前とつるむようになってからはだいぶ落ち着いてたんだけどなあ」

「………」

「今頃、野垂れ死んでたりして」


ぎゃははは、と笑うばかたちを横目に、俺は内心冗談じゃねえよと毒づく。


もしそんなんなったら、俺のせいか?いや、違うだろ。自己管理のできてねーあいつのせいだ。いや、でも………。


「俺、ちょっとトイレ………」

「おー。長引いても呼びに行かねーから安心しろ」

「うるせー」



ちくしょうめ。



end

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