( よし、それじゃあ )
「別れようか」
きれいに笑ってそいつは爆弾を投下した。夏休み3日前の、昼休み。
屋上での出来事だった。
「は、意味わかんないから」
「意味わかんなくないから」
「なんで?」
「なんで?じゃあ言うけど、俺メール返さないひとムリなの。まあ男だしなあ、って我慢してたわけ。でもさ、なくない?恋人に送るメールに絵文字顔文字デコメなしって、なに、ふざけてんの?」
「………は?」
「もうムリ。別れよ」
もう一度にっこりと笑って、屋上から出て行った。
待て、頭が着いていかないんだが。
待て待て落ち着け。
あれか、俺はメールで振られたのか。
だって絵文字とかめんどくさいだろ。
むしろメールがめんどくさいだろ。
あーもういいや。
めんどくさい。
俺はアドレス帳とメールBOXと着歴を全部消した。
あいつと繋がりのない携帯とかまじ意味なくねーか。
とか思ったがすんでのところで屋上からぶん投げんのをこらえた。
あーちくしょう。
夏休みの予定どうすんだよ。
お前中心で考えてたんだぞ。
友達からの誘い全部断ったんだぞ。
あーちくしょう。
好きだったのになあ。
大好きだったのになあ。
よし、それじゃあ夏休みはひきこもろうか。
end
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