( 頼むからほうっておいてくれ )
「あっ、それは俺のだろ!」
「いいだろう別に」
「良くねーよ!あ、トシミツ全然食ってねえな、食わせてやるよ」
「ヒカル、そんな不良なんてほうっておきなさい」
場所は食堂。
目の前でひろがるのは一体なんの茶番なのか。
俺は今、トシミツと呼ばれ不良と呼ばれた男だ。
いわゆる王道転校生と王道生徒会の連中と飯を食っている、が、もう限界だ。
一週間、一週間も耐えた。
幼なじみにバカな転校生の相談をしたら、一週間頑張ってと言われた。
だから耐えたんだ。
もういいだろう。
目の前をハンバーグが通り過ぎていく。
おいこら、それは俺のハンバーグじゃねえか。食べてないからって、お前が食うの早すぎんだよボケ。
バンっとフォークをテーブルに叩きつける。
限界だったんだ。
「まじうぜーほんとうぜー。もうほんと勘弁して。お前だよお前。転校生。生徒会もまじうぜーほんと。こんなんどこがいいの?いっとくけどあんたの胡散臭い笑みとかみんな気づいてっし双子とか意味わかんないしセフレとかどーでもいいしお前なんか殴る気になればいつでも殴れっから。つーかお前いろんなやつに友達友達いってっけど一方通行すぎてうける。なに、まじでみんな友達とか思ってんの。しゃべってるうちの半分黙っててみ?勘違いだったって気づくから。つーかもうまじどーでもいいや。一週間経ったから。あーほんとうざかったああうざかったくそうざかった。あのね、俺ひとりが好きなの。それを勝手にかきまわしやがって。あいつ以外はどうでもいいの、俺」
呆然とする食堂。
そりゃびびるだろ。
めったにしゃべらない一匹狼(笑)がこんなんだったら。
でもまじあいつ以外興味ないわけ。
「利光、」
あいつの声が聞こえた。
さらなるびっくりタイムの始まりだ。
fin
一匹狼(笑)はひとりが好きなだけで幼なじみ(推定:腐男子)は権力者(推定:風紀委員長)で、みんなびっくり!みたいな。んで一匹狼(笑)はネコだったみたいな。
王道転校生の名前はヒカルですがY氏の中では王道転校生はみんなヒカルです(笑)
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