( 俺たちのありえない毎日 )
高校生活も2年目。
2年目っていったらある程度慣れてきてはっちゃけられる学年だというのに。
2年生のとあるクラス、まあ俺たちのクラスには磁石でたとえるとマイナスが2人いる。プラスでもいい。水と油。
ようするにお前ら合わないだろ教師もなんで同じクラスにしたんだよっていう奴らがいるクラスだ。
ひとりは風紀委員長の小林和音。180cmの高見から放たれる冷たい視線に諫められたらみんな骨抜き……いや、態度を改める。風紀委員長らしく真っ黒な髪に正しく着られた制服。なぜださくならないのだ。なぜ色気が出るのだ。なぜ自分には……!女子いわく、同列でものを考えるな、恥を知れ男子共。らしい。
そしてもうひとりは校則?んなもん守ってる奴いんの?(笑)な本田遥。こちらも身長180cm。金色に近い茶色に染められ、ゆるくパーマをあてられた頭髪。ピアスはもちろん、じゃらじゃらとアクセつけまくり。制服はあってないようなもの。ブレザー?だっせえ(笑)と一蹴し、〇ニクロのカーディガンを着回しで着用。女子は似合ってるからいいじゃない、お前らはやんなよだせえから。らしい。そんな彼はケンカが強いらしい。指にはめてる装飾品はなんでも相手にダメージを与えるためだとかなんだとか。
そんな、俺が正義だ道あけろな小林と、なにが正義だ腐っちまえな本田があうはずねーだろ。
一週間前の始業式の日に、2人を除く俺たちがガクブルだったのは言うまでもない。
だがこの一週間、歩く校則違反というか時限爆弾な本田は教室へと姿を現すことはなかった。
噂では委員長うぜえ(笑)らしい。
(笑)がどうもバカにしている。
そして今日、予鈴ギリギリに教室へと入って来たのはなんと本田だった。
時限爆弾が教室に入った瞬間スタートしたのを感じた。
「あっち〜……久々に走ったっつの」
胸元をパタパタとし気怠げに歩く本田。エロい。ていうか暑そうに見えない。ていうか相変わらず校則違反すぎるだろ。
教室がシーンと静まる。
みんな本田と小林に釘付けだ。
しかし爆発したのは俺たちだった。
「おい、和音。俺の席どこ」
『っ、……っ!?っ!?』
クラス一同わけがわからない。
なんだお前ら。本田、名前で呼んで殴られるんじゃ済まねーぞ。
「ああ、遥のために俺の隣にしておいた」
ええええええええええ!!!!!
お互い名前呼びですかあああ
天変地異の前触れですかあああ
すると席に座っていた委員長が立ち上がった。
「遥、お前熱でもあんのか」
本田の前髪をかきあげ、おでこをくっつける小林。なんだおでこって、かわいいな。
「お前が遅刻すんなっつったんだから急いだんだろ」
「ああ、なるほど」
そのままの距離で話す2人。
唇くっつくんじゃねーの?
いや、2人ともかっこいいから絵になるけど、いや、男同士じゃん?
なんて俺たちの心の声は聞こえなかったのか、じーっと見つめ合う2人。
ガンつけるとかじゃなくてほんと、ぽかーんみたいな。いいから離れろまじで。
だが2人の距離はゼロになった。
ゼ ロ に な っ た 。
「……なんだ今のは」
「あ?したくなったから」
「そうか」
そうかってええおえっ←えづき
「ほら、席付け。つか、お前初めましてだろ?挨拶しなくていいのか」
「いらねーいらねー。知らなくても困んねえ」
ていうかみんな知ってますごめんなさい。ていうか先生いたんですね気づきませんでしたごめんなさい。
明日から、というか今日これから予想だにしなかった身を削るような毎日が始まることを、俺たちは知らなかった。
ていうか見てみぬふりをしたかっゲフンゲフン
end.
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