影山律くんほんと怖い。

生徒会員で言動は的確で厳しいことも言うが、一切自分には関係ないけど、これは言及しておく。みたいな話し方をする。こわい。こわい上に勉強も運動もできるし、顔が整ってるから学年の女子に人気があって尚更こわい。しかも影山律くんの隣の席が私で更にこわい。猫なで声で影山律くんに近づく他クラスの女子は、休み時間に自分の席で寝てたり本を読んだりして山の如く動かない私に対して舌打ちをしてくる。ひどいとばっちりだ。私がいないとこの机は誰か知らない女の子の尻の下に敷かれるのだ。
これもそれもだいたい影山律くんが原因なんだけど、隣の席である不幸な点はまだあった。

「日誌書き終わった?」

「あ、あとちょっと」

「他の日直の仕事は全部僕がやっておいたから」

だから早く書けということか。こわい、こわいよ影山くん。でも現に他の日直の仕事は殆ど彼がやってしまってたので頭が上がらない。日直が一緒になるのはわかってたけど、なるべく関わりたくないので影山くんの言われるがまま日誌の書き込みに集中した。

「か、書き終わりました…」

ありがとう、と言って私が書き込んだ欄を影山くんが確認する。

「前から思ってたけどさ」

「うん?」

「字、綺麗だよね」

「え」

唖然とした。影山くんは自分の言動にしまった!という顔をして固まった。え、こわ…え?
彼は勢いよく日誌を閉じるとそのまま顔を背けてじゃあこれ先生に出すから君はもう帰っていいよ、と早口で言い捨てて慌てたように教室から走り去っていった。

ピシャンと教室のドアが閉められる。
教室には彼のカバンと何故か顔がほてった私しかいない。
影山律くんほんとこわい。でもちらっと見えた赤くなった顔は、…あれ?





企画:ツンデレ律
リクエストありがとうございました!




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -