霊も泣かずば憑かれまい


ゴミ箱をゴミ箱らしい使い方しようと思います。

もぶさい爪編でエクボの三流の霊がやることだ、ってセリフがカッコよすぎてインスピを受けた、人を選びそうなエクボ夢です。
書き切ったら小話まとめにでもあげようと思います。

お相手はエクボ、ヒロインは霊、最後は多分切な目です。


霊も泣かずば憑かれまい

00 闇

闇だ。覆う世界がシンと静まり、人も草木も眠りにつく深夜。信号機の黄色だけが無機質に点滅する。
霧のように現れては漂い、朝日が差す頃にはどこかに消える。静かな夜の日に人知れず訪れる、闇。そこだけ人でも霊でもないものが、存在する。

エクボは茂夫との戦いで失った力を取り戻すため、たまに訪れる闇から霊でも人でもないものを引きずり出し捕食していた。それらは得体の知れないものでありながら、確実に少しずつエクボの力になったので悪霊と似たようなものなのだろうか。多くの行き場を失った一般霊は、定期的に現れる闇に取り込まれ、天国でも地獄でもないところへと存在を消す。エクボが捕食しているのはその闇に取り込まれた一般霊などの残骸とも言えるのかもしれない。
近付きすぎると逆に取り込まれてしまう、闇はブラックホールのようなものだ。エクボのような上級悪霊ともなると、夜の世界の掃除屋のような闇から逃れる事はある程度の力を失っていても簡単なものだ。
しかし、この日の闇は違った。

01

ずいぶんデケェな…と思わずエクボは呟いた。
巨大な漆黒の霧が、人も車もない交差点の真ん中で滞留している。点滅していた信号機の光も飲み込み、人知れず漂う闇がとんでもない存在感を発揮していたのだ。当然、普段よりも闇の中へと飲み込む力も大きい。エクボは後退りした。
流石にこれはヤバイ。なんだこの闇の親玉は。最近一般霊でも増えたのか?
自分の十数倍の大きさの闇は、エクボが逃げる方に近づく。

「ヤバイヤバイ!これ俺様飲み込まれちまうって!」
「助けて!」
「そりゃこっちのセリフだ!」
「私、まだ自分が死んだ理由もわからないんです!闇に取り込まれて消えたくない!」
「俺様だってまだ神に…は?」

声がした方を見る。エクボの後ろにずいぶん真っ白な一般霊の女が、半分闇に取り込まれていた。

02

「お願いします!ちょっと足引っ張てくれればいいんです!」
「お前一般霊なんだからあんま足ないだろ!無理!」
「お願いです!助けて!さっき死んだって気付いたばっかりなのに!」

その霊女は必死の形相でエクボの腕を掴んだ。

「おま!なにしてんだ!離せ!俺様まで取り込まれちまうだろうが!!」
「まだ死にたくないんです!お願いします!呪いますよ!」
「もう死んでるから闇なんかに飲み込まれてんだろうが!!」

ったく、仕方ねえ!腕抜けても知らねえぞ!とエクボはありったけの力を込めて近くの電信柱まで腕を伸ばし、自らの身体を引き寄せた。




きょ、今日はここまで…
前半自分でかいててめっちゃ怖かった。。(ビビり)
続けられそうだったらのんびり続けます。

あと、5000打ありがとうございました!
フリリク受付しています、なんにもこなかったらこのエクボを完結させたいです。。

めも

キジも鳴かずば撃たれまい
無用な発言をしたため、自ら災いを招く事
類:口は災いのもと

霊も泣かずば憑かれまい
同じ霊だから、同じ境遇だからと油断した一般霊が悪霊に涙を見せると取り付かれる事(?)








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