席替えをした。
嬉しいことに一番後ろの席。列は窓側から二番目。居眠りし放題、授業サボり放題。最高の場所だ。と思っていたが、隣はあの涼野風介。授業は勿論、休み時間もずっと寝ている。寝る子は育つと言うが、彼は寝過ぎだ。夜に寝ていないのではないか。隣が居眠りの常習犯なので私も寝ると直ぐに見つかる。要するに、居眠り出来ない、サボりも出来ない。

チャイムが鳴り、1時間目の授業が始まった。相変わらず涼野は机に顔を伏せ、すやすやと寝ている。教師が大きな声を張り上げながら教室に入ってきても無反応。しかし、起立の号令がかかると、むくりと立ち上がった。これには驚いた。きちんと挨拶はするのか、と感心してしまった。
その後、私は真面目に授業を受けた。黒板に羅列している文字をノートに書き写して教科書を読む。隣の涼野からは物音一つ、聞こえてこなかった。



(100418)