「ふーちゃん」

「…」

「ふーちゃんってば」

「その呼び方はやめろと何回言ったらわかるんだ」

「やめないよ。ふーちゃんって可愛いじゃない?」

「可愛いと言われても嬉しくないんだ。その無駄に喋る口を縫い付けてやろうか?」

「それ、ふーちゃんが言うと冗談に聞こえないから」

「だから、その呼び方はやめろ」

「嫌です」

「ならば私はもう君とは話さない」

「分かったよふーちゃん!」

「…」

「え、マジで話してくれないの?ふーちゃーん?」

「…」

「ふーちゃん、ふーちゃん、…」

「おい、くっつくな」

「あ、しゃべった」

「お前がくっついて来るからだろう」

「ふーちゃんのヘタレ」

「誰に向かって口を聞いている…!」

「あはは、怒らないでよ。風介くん」

「…」

「どうしたの」

「お前には、敵わないな」

「そりゃどうも」



(100403)