「え…なんなのこの状況」

「やぁお帰り。遅かったね」

「ああ、ただいま…っじゃない!なんでいるの?」

「俺は君がいるところに必ず現れるんだ」

「どっから入ったんですか今すぐ帰ってください」

「幼なじみにそんなこと言うなよ。もうすぐご飯できるからね」

「ヒロトって料理できたの?」

「うん。知らなかった?何でも作れるよ」

「…それ本当?」

「本当だよ。ところでさ、どう?これ」

「どれ?」

「エプロン」

「良いんじゃないの」

「もしかして裸エプロンの方が良かった?」

「そうだね、捻り潰すには丁度良いね」

「ちょっとやめろよ…想像したじゃないか」

「まあ今日はご飯作ってくれたから滞在は許可しよう」

「これから毎日作るよ」

「黙りなさい」

「明日は?」

「今日だけだよ今日だけ。後は駄目だからね?それとどうやってウチに入ったの?」

「……」

「ねぇ、そこだけ黙らないでよ」

「細かいことは気にしない方が良いよ」

「基山さん不法侵入で訴えますよ」

「ごめん。おばさんから合鍵借りた」

「母さん!?」

「ウチの子をよろしくーだって」

「なにそれ」

「そろそろ俺によろしくされる気、ない?」

「ない」

「即答は少し傷付くかな…」

「料理を食べてから考えてみるよ」

「食べたら俺に惚れるかもね」

「だといいね」

「あはっ、照れてる」

「これのどこが照れてるように見えるんですか基山さん」



(110625)