「円堂!」

「おう!」

「「愛してる!」」

「…戦場のメリークリスマスをBGMに何言ってるんだお前らは」

「お?鬼道!お前もやるか?」

「何をだ」

「私と円堂とでしんみり茶番」

「だが断る」

「いいだろ!やろうぜ」

「じゃあ円堂が元彼で鬼道がお兄さんね」

「良かったな鬼道!」

「円堂、どういう意味だ」



「なぁ…悪かったよ、俺が全て悪かった。許してくれないか。お前を失いたくない。また昔のように冗談言い合ったりしたいんだ」

「馬鹿言わないで。昔のように戻れないのはあなたも知ってるでしょ。もう遅いの。何もかも遅すぎたの。兄さん、この人を追い出して」

「…え、」

「義兄さんお願いです。俺にはこいつしかいないんです。義兄さんからも何か言ってやってください」

「なぁ、そろそろやめないかこれ」

「軽々しく兄さんを呼ばないで!あなたに呼ぶ権利があるの?もうやめて。帰って」

「今回ばかりは帰らない。なんで、別れたんだよ。俺はまだ理由を聞いてない」

「…理由なんて単純。嫌になっただけ」

「本当か?」

「……」

「返事しろよ」

「っだぁああぁぁあぁぁぁ!!何だなんなんだ!お前ら2人ともおかしいぞ!こんなことして楽しいのか!?」

「演技力の勉強だよ」

「いつ使うんだ!」

「もし相手が勢い余って俺にぶつかってきたりしたらこの演技力でファウルにできるだろ」

「フェアプレイをしろ!」

「元帝国のゲームメイカーに言われても…説得力が全くないよ」

「気にしてるからやめろ!」

「なんだよ鬼道ノリ悪いぞ。楽しくやろうぜ」


「なんでさっきからエンドレスで戦場のメリークリスマスが流れているんだ」



(110511)