「…なんだこれ」

「やあチューリップ君。今日も綺麗に咲いてるね」

「黙れ阿婆擦れ。…これはなんだ?」

「どれ?…ああ、それは風介の私物だよ」

「まじ?」

「まじ」

「有り得ねーだろこれ。アイツいくつだよ」

「残念ながらチューリップ君と同い年でソウルメイトだよ」

「はぁ?あの厨二とソウルメイトとかやめてくんね?同い年でも胸クソ悪ぃのに」

「いやソウルメイトでしょ。二人で仲良くカオス結成したり、韓国のチームに所属したり…なんかもうアレだね、親友的な」

「その口縫うぞ」

「やめてよチューリップ君」

「さっきからチューリップ連呼すんのやめろ。何か傷付く」

「じゃあ何て呼べばいいの」

「お前、俺の名前知らねぇの?」

「風介の親友という肩書きを背負っているチューリップ、という名前なら知ってる」

「長ぇよ!俺は南雲晴矢だ!」

「ところでコレどうする?」

「スルーすんなよ腹立つ。…捨てて良いんじゃね?」

「多分駄目だと思う。なんか、わざわざ浅草まで行って買ったレア物らしいよ」

「まじ?」

「まじ」

「じゃあ燃やすか」

「それも駄目。私、これを預かるように風介から頼まれてるから」

「きも。なんだアイツ、私物なら部屋に置いとけば良いだろ」

「なんか部屋には地獄からの使者の怨念が云々…このような穢れのない物を部屋に置くのは危ないって」

「だったら買うなよ。つか、なんだよ地獄からの使者の怨念って。思いっきり妄想じゃねーか」

「そもそも、これってそんなに清楚な感じかな?」

「よくわかんねーけど…厨二がそう思ってんならそれで良いんじゃね?」

「チューリップ君、せめて名前で呼んであげようよ代名詞とかじゃなくて」

「お前は人のこと言えんのか!?」

「ああ、ごめんバカ矢」

「腹立つ!お前のすべての要素が腹立つ!」

「取りあえず、この下駄はヒロトに預けよう」

「うっわ…そうくるか」



(110306)